『等伯』

今日は、雛祭り012.gif
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漆器のお雛様は紀州揃で母が旅先で求めたものです。
私の人生と行動をともにしている小さな木目込み人形のお雛様はここ10年天袋中・・・、来年こそは!
昨日は、娘と一日早くちらし寿司と桜餅でお雛様気分



直木賞受賞の安部龍太郎さんの『等伯』
珍しくハードカバーの本を買って、読みました。

友人に教えてもらうまで日本経済新聞の連載小説だった事は知りませんでしたが、サクサクと読む事が出来たのは、その為でしょうか?!
安土桃山時代の絵師、長谷川等伯の人生を綴った小説です。

名作「松林図屏風」を描いた等伯の心持を表現する為に、丹念に等伯の生涯をたどったように、読後思いました。
2010年に国立博物館で開催された「長谷川等伯没後400年展」の最後に、この屏風を目にした感動は、忘れられません。
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それまで展示されていた鮮やかな色彩の「涅槃図」や「屏風」「襖絵」とは違う、水墨画
専門家によると、完成作ではないとか、継ぎ目が不自然であるとか、謎の多い屏風であるようですが、厳かな静けさのようなものを感じる絵です。

この小説を読むと、諦念感をつきぬけた芸術家の生み出した絵画であるように伝わってきます。

2010年より前に京都の智積院で、等伯の「楓図」と「松に秋草図」、息子の九蔵の「桜図」を見てました。
初めて等伯に息子がいて、26歳で早世した事を知りました007.gif
この「桜図」は素晴らしく、お父さんの等伯の「楓図」より好きです。
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この才能あふれる息子に先立たれた等伯の悲しみはいかばかりかと、その時に思いました。

この小説では、故郷の七尾の桜、息子の九蔵のことがモチーフにしてあり、共感することが出来ました。

狩野派との争いは、小説でもとても大きく取り上げられていますが、九蔵の死の部分はちょっと違和感があります。
小説はフィクションなので当然ですが、ここまで歴史上の人物がオールキャストで大きく登場する事には、少し違和感を持ちました。(あと、「松林屏風図」を描く契機に秀吉がからむところも・・)

でも、当時の絵師には政治力が必要でしたでしょうし、色々な意味で「下剋上」の時代ですから、面白いなと、読んでいて思いました001.gif

阿部さんは、直木賞も当然な力量の作家さん
他の小説も読んでみたくなりました。

一緒に購入した高村薫さんの『冷血』、合田刑事の登場まで待たず現在挫折気味・・・008.gif
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by greenkatastumuri | 2013-03-03 15:40 | | Trackback | Comments(0)

初めての「おひとりさま」を楽しむ日々


by のんきなかたつむり